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FF16小ネタ集⑯

ロズフィールド兄弟多めに色々なキャラクターで。 コメディ・ほのぼの・シリアス。

・どこを(ロズ兄弟)

少年期※まだジルが来る前。

屋敷の書室にて本を読みながら。 ジョシュア「兄さん」 クライヴ「どうしたんだ、ジョシュア」 ジョシュア「人を見る時って兄さんはどこを見ているの」 クライヴ「その人がどういう人か知りたい時か」 ジョシュア「うん。本で書いてあるのと実際に体験するのは全然違うと父さんが」 クライヴ「確かにそうだな…。俺も稽古を始めたが書かれている内容とマードック将軍含めて稽古を教えてくれる兵たちの動きが違うと感じる」 ジョシュア「そういうときはどうするの」 クライヴ「将軍や兵たちの目を見ている。動きを眺めるだけじゃない、耳や神経を澄ませたり、俺にしっくり合う動きを自分で考えたりもしている。 それ以上に目を見て、何が重要なのか見分けるんだ」 (じっとクライヴを見つめて)ジョシュア「僕を守ろうとしてくれているんだね」 クライヴ「…ああ」

壮年期 ※シヴァの力を吸収し、ジルが伝えなかった我慢を己の拳と共に一発クライヴを殴って分からせて。 兄弟で視線を逸らすことなく、微笑み合った後。

ガブ「ん?」 何かあったのかと思いつつも、ふたりが打ち解け合った気配からまあいいかとガブが先に進んで行く。

逸らすことなく、クライヴは昔からそうだったと緩やかに。 そして兄の決意をしっかりと受け入れながら弟は行こうと視線を送り。 兄も受け入れてくれた弟と彼女に心の中で大いに感謝を捧げつつ。 ジョシュアのその瞳を真っ直ぐに見つめた後、前を向き兄弟で揃って前へと進んで行く。

オーディンとの対決へとまずはエイストラ村を目指して。

・ダメ ロズ兄弟 少年期

トルガルを抱っこしてみたいと兄に尋ねるジョシュア。 ジョシュア「兄さん、ダメかな…」 クライヴがトルガルに合図を送る。 クライヴ「良いに決まっているさ。な、トルガル」

・壮年期 クライヴ(俺とトルガルで今度のモブハントはいける。ジョシュアにそう告げておくか…怒るだろうが) ジョシュア「ひとりで行くつもり、なんだね」 クライヴ「駄目だと言われても俺はそう決めたんだ」 (軽くため息をついて)ジョシュア「そういう所は本当に変わっていない、ね。ひとつ条件がある」 クライヴ「俺に出来る範囲なら受けよう」 ジョシュア「戻って来たら、僕とジルの3人でリンゴを入れたエールを飲もう。兄さんとジルはノースリーチに買い物に出た時に昔話をよくしたんだよね。今夜は僕も加わらせてもらうよ」 (静かに微笑んで)クライヴ「分かった。楽しみだな」

・月を(ロズ兄弟)

ジョシュアからフェニックスの祝福を送られてから青空を見上げ、誓いと弟からの信頼を己の中に落とし込んでいると。弟自ら兄の手を取り、そうして引いていった。 あの日の夜はふたりで月を見上げたーもうあれが最後なのかと再会出来るまではそう思っていた。

特段意識をクライヴはした訳ではない。対するようにジルにとってはあの日は忘れがたい日だった。共に月を見上げたあの日。 再会し、インビンシブルという拠点が出来てからはふたりで月をよく彼の私室から見上げていた。

ジョシュア、月を眺めないか。 青空は覆われたままのヴァリスゼア。それでも月だけははっきりと見えるので夜が存在していて昼という時刻も空自体も失われた訳でないとはっきりと分かる。 兄の私室から繋がるバルコニー。そこでジルと共にお前が来るまでも月をよく見ていたと話してくれた。 僕で良いのと弟が尋ねるものだから、何やら含みのある物言いだな。その日にあったことを頭の中で整理するにはちょうど良い場所と時間だったんだとクライヴは答えた。

―まだ、ロザリアに居た時は兄さんと離れることはなく今みたいな時をずっと共に過ごしていくんだとそう思っていたよ。 ― お前を通して俺も誓った。 お前はお前の使命を。俺は俺の使命を果たしながら生きていくのだと…。 仮にあの運命の日に強制的に目覚めさせられなくても。 遅かれ早かれ逃げ出すことは出来ずに離れ離れとなったであろう。

すべてが壊され、引き離された。それでもお互いに生きている。 何かを考える時も、離れている時も月を見ていたと弟も語ってくれた。 ヴァリスゼアの人々も俺たちと同じく月を見上げているのだろうと兄が語る。

…そうだね、メティアに祈っている。 …いつか、そう。遠くない先で。月をこうして見上げるのは。

ヴァリスゼアの人々が人として生きていて。その日にあったことを人らしく生そのものを感じながら、語って。穏やかに眠りに就けるような世界だと…そう願っている。

兄さんはメティアには願わない。僕も祈るつもりは無い。 …それで良いんだ。

・たったひとつ(ジョシュアとジル)

フェニックスを宿すのは、兄さんが相応しいとそう思っていた。 それは長い眠りから覚めると残酷な現実と共に砕かれた。 真実を知った今でも僕で良かったとは僕も兄さんもとてもそうだと考えられない。 ただ。たったひとつ、良い事があった。あなたが守ってくれた様に僕もあなたを守れたこと。

そしてフェニックスのこの力があなたそのもの—炎の民として受け継がれて来たものを呼び起こす再生の炎であったということだ。

シヴァに覚醒して、ひとつだけ良かったことがあった。 あの男におもちゃにされる。それが召使いとして押し込められていた部屋に乱暴に入って来た男たちの様子から嫌というほど分かった。ロザリアの女性たちが私をかばおうと次から次へと突き飛ばされ。 私が行けば良いのよねと震える足で前に進み出た。 強靭な男たちに細い腕を両側から掴まれ、抵抗しようにも力も出せない。 嫌、嫌と頭を振りかぶり。あなた以外は絶対に嫌と心の中で大いに叫んだ。 その瞬間、最初は何が起きたのか分からなかった。 男たちが皆氷の飛礫によって呻いており、次に発せられた言葉はこの化け物。 汚れた獣めと怒りと共にイムランの命令により手籠めにされていく少女たち。 助ける間もなく拘束具が嵌められ。ほどなくして、人形のように振舞う日々が年をまたぎながら重ねられた。 この身は獣、心は凍った。 あなたとまた出会い…溶かされていくまで。

たったひとつだけ、良いことがあった。 あなた以外の男が近づいて来なくて。 あなただけが触れてくれて。あなたの腕の中にいられること。

・雪

望郷組 ※少年期

はらはらとどんよりした曇天から白い雪が落ちて来た。 「昨日の夜から冷えていたよね」 手先が冷えて来たのだろう、5つ年下の弟がはあと小さな掌へ息を吹きかけた。 「ジョシュア、お前の気持ちは嬉しいよ。だが身体に障る。今日はもう屋敷に」 アナベラが取り巻きの貴族たちとザンブレク皇国から来た幾人かの貴族との交流会を設けている今なら。ジョシュアはきちんと挨拶を済ませた後、ロズフィールド家に課せられた課題の為にと抜け出したのだ。 母は良い顔をしなかったが、父が公子としての務めは十分に果たしたと去らせてくれたのだ。 やっと訪れた少しだとしても自由に過ごせる時。兄の稽古を見届けたいと付いていこうとする弟の体調を気遣い止めようとすると。 「そう思ってね。さらに上着を持って来たわ」 細やかな気遣いが出来る幼なじみの少女が颯爽と姿を現した。 「…だね。さあ急ごう兄さん。感づかれたら母様に僕以上に兄さんに責任が問われるよ」 日課でもある稽古をこなしている間、ふたりも見えないところでしっかりとそれぞれの役割を果たしてくれているのだと嬉しくもありくすぐったくもあった。足元ではトルガルがどんよりした空と雪をじっと見つめていた。

昼下がり。空から降る雪は粉雪ほどだったのが重さと密度が増して来た。 「今日は早めに切り上げた方が良さそうですね」 軽めの休憩と食事を取り。グローブ越しに手の平に落ちてきた雪をそっと眺める。あっという間に溶けていった。 ふたりもその様子を両隣で見届けていた。 「ロザリアでこんなに大きな雪が降るのは珍しいね」 「私が来る前はそうだったのね」 ジョシュアがうん、と頷き。 「北部はすごそうだね」 「…小さかったから、あまり覚えていないわ」 誰も彼もが白銀公の娘をどう役立てようかとそればかり話し合っていて。 そっと大広間を抜けだして自分の部屋に戻っても誰も気にしていなかった。 窓越しに見える大粒の雪は地面を真っ白な絨毯にして。 このままここを進んで消えてしまっても。雪が足跡さえ覆い隠してくれて気づかれないかな。そう思っていた。

ここに来てからそれはなくなった。 ここで、ふたりの傍で、ずっと。それが私の産まれてきた意味。 あなたと出会う為に。

「積もるのかな」 凍えないように持ってきたもらった上着にくるまりながらジョシュアがぽつりとそう零した。 「それほどではないだろうな。さて、稽古の再開だ」 「うん!」 「気をつけて、クライヴ」 ふたりが凍えないで済むように炎を灯らせるかのように彼が前に出た。 トルガルもキャン、と元気に吠えていた。

最後に雪を見たのはあの日だった。 召喚獣の力を失い。そして氷の魔法だけとなり人に戻りつつある今では鮮明に思い出せる。 あのまま降りしきる雪の世界へ消えなくて良かったと。 心が凍ったままで生きていくことはもうないのだと。

Make(拠点の皆)

何かを作り出すのは特別なこと? それとも大変なこと?

テトとクロがハルポクラテスの書斎で元気に走り回るようになってから—それはこの新しいインビンシブルと呼ばれる拠点が5年の時を経てようやく形となり、石の剣の部隊も揃った今だからこそ出来るわけで―ぴたりと双子が止まったかと思えば矢継ぎ早にハルポクラテスに教えてとせがんで来た。 「ほう、良い質問だね。どうしてそう思ったのかまずそれを教えてくれるかの」 小さい子どもの好奇心は旺盛だ。人と“ベアラー”の夫婦の間に産まれて来た双子たち。 この双子の両親の命はフーゴが顕現したタイタンによって奪われた。幼かったとはいえ、庇護してくれる存在がいないというのは大きな傷となったはずだ。よくクライヴを含めこの拠点の大人たちの腕の中で眠れない夜は涙を流しながら彼らにしがみついて過ごしていた。心の傷が完全に癒えたわけではないだろう。それは頬に刻印を産まれてからすぐに入れられたもう少し大きいミドを先生と慕っているあの子たちとて同じだろう。とはいえ、忙しく働いている周りの大人たちがしっかりと生きている様子を目の辺りに出来るのはこの子たちにとっては良い環境となっている。 「バードルフおじさんのお弟子さんたち、船が傷まないように毎日しっかりと打ち込んでいるんだって教えてくれた」 「カタチになっていくのは面白いって。でも日が暮れる頃にはくたくたなんだって」 「確かに。ここも見つけてから今の形になるまで随分と時間が掛かったのは覚えているかな」 双子がうん、と合わせて頷く。 「疲れた後にエールやごはん食べると美味しいって言ってた」 「おじさんが前のおやかたさん?と一緒に同じこと言ってたって」 顔を見合わせながらひとつひとつ。拠点で過ごしている彼らの話を復唱しながら思い起こし。そうしてここで起きている人の生きかたそのものを双子たちは彼らなりに心に染み込ませているのだとハルポクラテスは感じ取った。 「なら、テトとクロ。ふたりとももう分かっておるな」 何かを作り出すのは—。 「「大変だけど、楽しい」」 「ふたりはどうかね。何かを作りたいかい?」 「作るのも楽しそうだけど。ハルポクラテスのお話はもっと楽しい」 「おお、そうか。では今日は—…」 後に師であるモースの才を受け継げるのではないかと思うほど才能があるジョシュアがこの書室に加わり。語り合う相手が増えた喜びがそこにあった。

“記すのかね” “新たな…本当の意味で人の歴史が始まる” 人が人でいられる世界を作り出すという、兄の悲願と共に。

イヴァンに大工仕事を引き受けて少し手伝ってみたのですが…どうやら俺は力が足りないみたいですと相談を持ち掛けられた。 イヴァン自身に特に話したりはしていないのだが。俺が少年の頃、りんごを拾った相手であるベアラーに彼は似ていた。ふとそのことを思い出し。 調理もなかなか体力はいるが。モリーと相談してみる。 彼女と協力し合いながらケネスが作ってくれた料理(シチュー)を最初に食べた時の感動は今でも覚えているだろう。取り組んでみるのはどうだと提案してみると。 「あったかい料理なんて初めてでしたからね…目が輝いているなってシドの隠れ家でみんなが喜んでくれて。よく覚えています。さっそくやってみます!」 そう元気に答えてくれた。読み通りというべきか。それがイヴァンにぴったりだったのだろう。文字を学び読むことにも精力的であった彼は古くからある食材探しを依頼するほどにはのめり込んで探求の日々ですと料理に対して意欲的になってくれた。

「作り出すってすごいことだよな」 ブラックソーンの鍛冶を眺めながらグツにオーガストが腕を組み語りかける。 「見極めるのもすごいことだよ」 グツはカローンの店へと視線を向けた。愛おしさと優しい眼差しがそこにある。 「…だな。作り出す奴がいて。それに価値があるか見極められるのも居る」 「ここはそれが出来るところだからね。しっかりと守らないと」 ばちんと両手を合わせ握りこぶしを作るグツに対し。 「グツ、魔物や相手となる兵たちは俺たちに任せろ。お前がしっかりと役割を果たしてくれるからこそ。俺たちも動けるんだ」 とんっと胸元を任せろとオーガストが軽く叩く。 「俺、ばあさんに拾われただけじゃなく。ここでチームとして動けて良かった」 グツがにこっと白い歯を見せて笑顔でそれに応える。

「本当に針子が得意なんだね」 クライヴに好きな色の布を聞いた後。 ベアラーの姉妹の服を仕立てた後に余った布地をジルに何か編んで挙げたらどうだいと勧めて見ると。 糸と針を丁寧に慣れた手つきで動かし始めるジルの姿がそこにあった。 「クライヴがね、嬉しそうに語っていたんだよ。ジルは針子が得意なんだって」 ふたりにとって良い思い出なんだね、とオルタンスがジルの手元をあたたかく見守りながらそう話しかけると。 「…クライヴはね、ジルはそうやって何かを作り出せるんだなってそう言ってくれたの」 俺は剣を振るって…命のやり取りをしながら。ジョシュアを守る為に。 命そのものを奪い…そうやって生きていくしかないと。 特段そうして言葉にした訳ではない。けれど、ジルの針子の様子を優しく眺めた後、彼女の部屋から去る時に。見送った後ろ姿からそう感じたのだ。 「…この場所はクライヴがいてくれたから、出来たんだよ」 「そうね。私もそう思う」 あの時は彼のその背にどうか気をつけてねと見送るしかなかった。 己が兵器として扱われ。命を奪う日々を重ねてきた現実から—わかり合えるとそう彼に語った。 未だ本心を見せようとはしていないのに、だ。 ジルがまた何かを押し込めるような姿勢を取ったのだと感じ取ったオルタンスは、軽くため息を吐いた後。ジルの両手をそっと押しとどめ。 「気持ちがちゃんと乗るまで。待つことも大事さ。それに、こっちの仕立ても手伝って欲しいからね」 急かすことなく心の中で“頼んだよ、クライヴ”と今ここにはいない彼に語りかけて。

彼女が想いそのものを紡いで作り出してくれるのは、ふたりの想いが誓いと共に通じてからとなる。 そうして彼らは見つけ出すのだ。 ここは人でいられる場所だけでなく、誰かの為に作り出せる場所であるのだと。

※拠点の皆のCreateというよりMake(共同で)寄りなチームワークが好きなのです。クライヴの拠点のBGMは“OurTeam”ですしね。

・ボム(FF16魔物組)

ダルメキアの温泉にて、無事に青いボム系統の魔物を退治したクライヴとトルガル、そしてバイロン叔父さん。

クライヴ「温泉も再開出来ましたし先を急ぎましょうか、叔父さん」 何やらいそいそと出て行こうとするバイロン叔父さん。 クライヴ「…どこへ?」 バイロン「いや、何。あのくらいの数で熱湯に出来るくらいじゃからな。 1匹くらい捕まえておけばインビンシブルですぐに風呂に入れるだろう?」 クライヴ「…いや、前にも(フェニックスゲートで)戦ったことはありますボム系は非常に狂暴です。それに力尽きる前に身体を膨らませて自爆しようとする。 危険だから避けた方が良い」 トルガル「ワフ🐺」 バイロン「そうか、残念じゃ…」 クライヴ「ほどほどに熱めのが良いなら、無事に戻ってきたら俺が炊いて叔父さんの背中を流しますよ」 バイロン「なんと、そうか!ならば一刻も早く急がねば」

・商売人たるもの(FF16魔物組)

ボクラド市場にて—。 クライヴ「ひとつ、良いか」 テオ「何だ?」 クライヴ「店の看板なのだが、赤の馬(チョコボ)とは珍しい。何か意味があるのか」 ジル「ブルーバードなら、ロザリアやザンブレクで見かけたわね」 エル「確かに珍しいのよ」 テオ「何でも赤いこいつは空から隕石を降らせるとか」

クライヴ「‥‥そうなのか」 エル「あら、疑っているの?あなたたちの武器でも空から落ちて来た欠片から加工したものもあるでしょう」 テオ「まあ、験を担ぐってやつかな。目にしたら幸運だし隕石を魔法で落としてきたなら教えてくれよ。かなり高額で売れるからな」

後に赤チョコボへとひとりモブハントに向かったクライヴはコメットと唱えられた魔法による雨嵐のように降り注ぐ隕石を何とか躱しながら討伐を終え。

エルやテオだけでなくボクラドから、ダリミルやタボールの商人たちも押し寄せてしばらくはにぎわっていたとか。 クライヴ自身も大きな塊をブラックソーンに託し。石の剣の彼らの武器に割り当てられた訳だが。 当分赤い馬(チョコボ)には会いたくないなとかなり疲れた様子で自分の私室に横たわって早く眠りについた。 トルガルは少しの間、ごろごろその辺りに転がっている岩にも何やらつよい嫌悪感を示していた。

・運ぶ(FF16魔物組)

黒の一帯の中において自身のエーテルによりタイタンに顕現したフーゴによってシドが風の大陸の中に設けた隠れ家は壊滅した—。

同時にシドルファスはラムウの力ごとクライヴに自身の夢を託し亡くなる。 多くの仲間と帰る場所を失ったクライヴとジルを中心として風の大陸中央部同じく黒の一帯ベンヌ湖にて空の時代の飛空艇インビンシブルによりようやく立て直せる時まで来れたのだ。石の剣の彼らをベアラー保護活動の為に派遣し、外の商売はカローンや彼女がグツを連れて。諜報はガブが。そしてゴーチェやオットーが軸となり各地の協力者たちと密接に連絡を取り合っていた。 バードルフが拠点内をシドやカンタンから聞いていたアドヴァイスを元に彼の部下たちと共に暮らしていくには充分な施設も含めてよく改造してくれたものだとクライヴや拠点の皆が事あるごとに礼を述べていた。

見習い「あれ、おやっさん。この石碑って…」 見習いがアレテストーンを眺めながら尋ねる。 バードルフ「ん?シドの前のところでもあったやつだが…こんなデカいのわざわざあそこから運び出した奇特な奴がウチにいたか…?」 見習い「シド、誰が運び出したんでしょうかね」 クライヴ「言われて見れば…拠点に何を設えるかで常に頭が一杯で気づかなかったな」 とはいえ、召喚獣の力を―…今はラムウもこの身にある—受け継いだ以上ここで剣以外の訓練を行うには役立つのだ。トルガルも共に来てくれる。 顕現出来るのは今の段階ではジルだけであり、石化も含め彼女に負担がかかってしまう以上いつまでも頼り続けることなど到底出来ない。 クライヴ「俺以外には反応はしない。向こうから魔物が襲うこともない。 すまないがこのままにしておいてくれるか」 バードルフ「あまり気を背負いすぎるなよ」 見習い「皆、大将が支えであっても甘えるつもりもないっすから」 クライヴ「ああ。助かる」

タイタンの顕現後—。埋もれた拠点を見渡す理(ローブ姿)。 理(まったくミュトスが吸収する前に余計なことをしてくれたものだ…。我(We)がミュトスの為に用意したアレテストーンも埋もれているではないか) 理「眷属たちに運ばせるか」 ネクロフォビアや鉄巨人たちを呼び出して運ぶように命令する理。 せっせとアレテストーンを抱えながらインビンシブル内に人気がなく彼らが眠っている内に設置し颯爽と帰って行ったとか何とか。

※あちこちで理暗躍しているのがミュトスの為に、って考えようによっては舞台裏であれこれやっている黒子みたいですね(笑)

あなたの(バルナバスとバルナバスの母)

彼らの天は、地に墜ちた。

マリアス教の詩を母がそっとついばむかのように囁く。 産まれてすぐの頃からそれが子守歌であり。月を見上げると母はそれを歌った。 それが教えだからなのか、それとも時が流れたら必ず訪れる周期だからか。 “ミュトスが誕生する時は、月が一番輝く時なのよ” そう外大陸を見下ろす満月をどこか妖艶な微笑みを浮かべて私を見つめた。この辺りも黒の一帯に既に侵されていたが、確かに闇の中でひときわ輝く月は美しかった。 「覚えておいてね、バルナバス」 母からその視線を外し、月を見上げた。 「…はい。母様」

ほどなくしてヴァリスゼアへとふたりで船を乗り継ぎ訪れた。この身に流れる血からすればそれは帰還となる。ゼメキスの民。贖罪として、このヴァリスゼアに私の身を捧げに戻ったのだ。 母は怯むことなくあの御方の信奉者である部族の者たちへと語りかけていく。

“ミュトスは” “おお。あなた様も。残念ながら未だ” “…私たちの罪も許されない。” “ドミナントも未だ姿を見せておりません。オーディンが絶えてどれほど経ったことか” “祈りつづけましょう。私達に今できることはそれだけ” “風の大陸も噂だけは入ってきておりますが…相変わらずこの地は…―”

—醜い。 だからこそ、あの御方の存在とご意思。 そして何よりもミュトス不可欠なのです。 それこそが私たちにとって唯一の救い—…

母と海岸へと向かった。 満月の隣に赤い星が見える。 メティアだと、教えてくれた。 祈ると願いが叶うのだと。 「祈るわ」 「…あの星へとですか」 「それと、あの御方へ」 雲が風によって流れ、そうして赤い星が陰った。

—願いは叶わないみたいね。 …母様。

「それでも良いの」 闇に覆われた、世界。 月だけが雲に覆われた空の中でぼんやりと妖しく光る。 彼女の長い黒髪は潮風に揺らされ。風に寄る打ち付ける波の音が母をさらってしまいそうな錯覚に幼心ながら襲われる。 「私の時代にミュトスが現れますようにと祈ったわ。だけど、メティアは陰った。それは叶なくても良い」

—あなたの…。あなたが生きている間に。 それさえ、叶うのなら。 救いが来るのなら、私はそれで良い。 愛しているわ、バルナバス。

部族たちに武道を教え込まれ。彼が青年と呼ばれる頃になると。 戦いの日々が始まった。 そして。青ざめた顔と。冷たく固くなっていく身体。 己の力の限りを尽くして抱きしめた。

慟哭とはこうしたものなのだろうか。 目覚めが始まった。今までに起きたことが無い感覚と失われていく感覚。 気が付くと、この剣に赤黒い禍々しい力が宿っていた。

誰かの悲鳴に近い呼び声が耳に響いた。 オーディン、と。

ひとつの国が墜ち。そしてひとつの種族が制圧された。 あらたな国が興る。王はただひとり。

フェニックスを宿すものが産まれた。 「ミュトスが来る」 あの御方も生まれて初めてこの目にした。 「貴方が…」

同じ外大陸から来た男が雷を振るう召喚獣を宿していた。 「このまま世界でも救うつもりかい、王様」

ラムウを宿す男が手を引いて来た少女が風のドミナントであった。 姓を与えた。ふたりで微笑み合っていた。

寝室に戻ると、あの方が姿を模した母がそこに居る。

“あなたが生きている間に—…”

胸元に頭を当てた。その妖艶さが増していく。 “ミュトスが産まれるように願っているわ。だってあなたは私の… 慰めとなるの” (ゼメキスの血を引く、闇の民―…) 「あなたの…子です」

※一番最初の詩はアラビアのものから取っています。 厳密には彼の天は、です。

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