FF16小ネタ集⑳
- つきんこ
- 21 時間前
- 読了時間: 16分
ほのぼのよりです。
クラジル多め。
FF16拠点メンバー
・何している時が幸せ?
クライヴ「ジョシュアの前で誓った通り、大切なものや人たちを守り切れた時だな。そしてベアラーたちが人らしく生きていく姿をここで実感出来るのも」
ジョシュア「僕も兄さんと約束したからね。みんなを守るって」
(兄さんはその中に自分が含まれているとは考えていないみたいだけど)
(本当はふたりのそばで…)ジル「ふたりの支えになれるのなら、とても嬉しいわ」
トルガル🐺「ワフ(撫でてもらっているとき)」
アンブロシア🐤「キュイ(撫でて褒めてもらえたとき)」
ネクタール「モブハントの成功報告が届いた時クポ。しっかりバッテン描いているクポ」
(モグの蓄えも増えていくクポ💰)
オーガスト「タブアンドクラウンでブラックソーンと飲んでいる時だな。
意外とクライヴが奢る時に見習いは来てもあいつは来なかったりするしな」
ガブ「寄せ集めの家族みたいなモンだけど、俺も好きだぜ。ただ、途中で寝ちまって朝起きるとタルヤにクライヴに夜中に引きずられたの覚えていないって怒られるんだよな」
オットー「子どもたちに限らず、若い奴が仕事を任せられるように成長していくのを見守るここでの時は、好きだぜ」
ミド「設計かな。諦めたくないし、投げ出さないって決めているからね。
エンタープライズ完成した時に舵取りはまかせろって思ったもんね。あと
オットーがくれた小さい頃に食べた果物さ。ここで作るような話もあったからそれ聞いて嬉しかった」
オットー「…そうか」
ヨーテ「ささやかな事でも…ジョシュア様のお役に立てるのであれば
お気遣いのお言葉がとても嬉しいのです」
タルヤ「施術はものすごく神経を使うわ。クライヴの姿を見ていると成功させて良かったと思うのと同じ位責任があると感じている。
石の剣の彼らの決意を見届けられるのは…幸せというより、私の使命なのだとまざまざと感じるの」
ハルポクラテス「本に囲まれながらそっと木の実を口に含め、そうしてヴァリスゼアの文字を目で追っていく」
テト「ハルポクラテス、楽しそう」
クロ「おはなし、むずかしいときもあるけど。さびしい時はおひざへ行くの」
タルヤ「ところで、クライヴ」
クライヴ「どうした」
タルヤ「ジルにも言っておいた方が良い事あるでしょう」
静かに頷き、私室へとジルを招くクライヴ。
タルヤ(感謝だけでなく、ジルだからとしっかりと、ね)
少しするとカウンターへ先に席についていたミドの元へ雰囲気が柔らかくそして足取りも軽くなったジルの姿がサロンの彼らの目に留まったとか。
※ヨーテと拠点メンバーの掃除係
まずは
ヨーテが主であるジョシュアから気遣いの魔法をかけてもらった後。
先にインビンシブル拠点に着いた。
ヨーテ「あそこが…」
オボルス「インビンシブル。あれも空の時代には飛んでいた飛空艇のひとつさ。クライヴが見つけたんだ」
見張り役のラドッシュからクライヴやジョシュアからここへ来るとストラスを通して伺っていましたと案内された。
掃除係の彼らが声を掛ける。
ゾラ「ジョシュアのことがあるから相談に乗って欲しいと医者のタルヤっていうんだけど。オットーが案内してくれる。そこにいる方があなたも良さそうね」
ツキモフ「その前に良いか」
ピーター「あんたの部屋になる場所は前もって掃除しておいたんだけどさ。一目見てまず気になったことがあったら遠慮なく言ってくれ」
ゾラ「男連中に言いづらかったら私にだね」
ツキモフ「けど、ジョシュアの部屋なら俺たちの方が良いだろう」
ヨーテ「ジョシュア様の…」
ゾラ「クライヴが言っていた通りだね。ジョシュアのことをよく気遣っている娘だと。とても感謝していたよ。先にジョシュアの部屋を見てもらおうか。ああ、期待って言い方もおかしいけど」
ツキモフ「まあ簡素ではある。それで良いって言ってくれるが。あんたはずっとそばにいてくれたんだろう。
ならジョシュアが口に出さなくても必要なものをすぐに気づいてくれるな」
ピーター「ここを出ている間もきちんと綺麗にしているぜ!」
掃除係なんて目立たない仕事だって思われるだろうけど。
クライヴもジョシュアも。そしてジルも。
戻ってくるといつも綺麗にしてくれてありがとうって。
俺たちの仕事をよくねぎらってくれる。
ゾラ「コツはほうきの中心をちょっと濡らすんだ。そうすると埃がたたない」
ピーター「インビンシブルでどんどん“人”が増えて行っているからな。換気良くしている分、埃も大変だ」
ツキモフ「皆で暮らしていくと感じられる、ここでみんなで生きているんだなあって実感するぜ。あんたもすぐ分かるさ。ああ、うるさいのもすぐ慣れるさ」
ヨーテ「そうですか」
ジョシュアの簡素な部屋を眺めた後。
花があると嬉しいですね。とひと言添えた彼女の言葉に3人とも頷いて。
植物園があるんだ、まずはひと通り案内してやるよと控えめな彼女を明るく彼らは促がして。
そうしてヨーテはひとつひとつ。
ひとりひとりのここでの生活を観察して、書き留めることを始めた。
拠点の皆とジル。
ちょっとだけクライヴ→ジル
癖
先に人に戻されてからふとした瞬間にバイロン叔父さんが明かしてくれたクライヴが嘘をつく癖が気になっているジルちゃん。
本人には当然尋ねられないので、この5年間を過ごして来た皆にクライヴこと(癖)で気になっていることがあるかとジョシュアと出ている間に尋ねて見た。
ガブ「あいつ考え事している間は腕を組んだ後は手を顎に当てて…て、そりゃジョシュアも同じか。やっぱり血の繋がった兄弟なんだよなあ…」
その後は出産間近なエッダが居る医務室に視線を向け。
ここは寄せ集めな家族だけどさ。血が繋がっているテトやクロも居る。両親はフーゴの野郎のせいで亡くなって。俺も家族を失った直後は寂しかったから。大切な人が消えてしまったエッダさんもそうだけどさ、代わりで全部が埋まる訳じゃない。けど、繋がりがある意味を大切にしたいよなと語ってくれた。
オットー「気になっているというか…あいつをここのリーダーに押したのは俺だからな。シドについて行くと決めたのと同じように俺はあいつを支えると決めた。」
ジル、お前の想いや決意は俺とは発端が違うんだろう。
背負わせてしまっているという…自覚はあるんだ。あいつはずっと俺たちの分までと想ってくれている。
頼りにしているとクライヴの顔や瞳を見たら分かるぜ。リーダーになると決めたあのと変わっていないからな。
だからこそ最後までやり遂げる。それが俺の覚悟だ。
タルヤ「クライヴのことで気になっているのって…施術の後もまだ熱が下がっていないのにこれでもう外で動けるようになるとすぐ出て行こうとしていたわよね」
腕の怪我を縫ってやったかと思ったらこちらの言う事なんて聞く耳も…本当は持っているんでしょうけど、案の定、よ。飛び出して行ってしまうし。手綱なんて取れないわよ。
ジル、あなたは彼が子どもの頃からそうだったとよく知っているのでしょう。
小さい頃から誰かを助けようとしていたの。
あなたもその中に含まれている。そして、私も。
だからこそ、この仕事を続けなければならないの。刻印が消えた後も、人の命そのものへ問いかけは続く。
ゴーチェ「クライヴの癖か…」
デシレー「ちょっと気になっていたのでジルさんへこちらから尋ねて良いですか?」
旅の最中もそうなのですが。
クライヴはジルさんに対して外ではどのように接しておられるのですか。
何かあればそっと優しく引き寄せてくれて。
危険があればそこから守るようにしっかりと肩を掴んで腕の中へ。
そして足元が危ないと先へ行く彼は分かると手を差し伸べてくれる。
冷え込む夜は焚き火の傍でどちらかともなく寄り添って…今はジョシュアと3人で、ね。
そうして夜が明けるまでトルガルやアンブロシアたちと休息をとるの。
ジルの淡々とした事実を語るその様子にふたりは目を丸くしながら。
ゴーチェ「すごく、分かりやすいな」
デシレー「距離感というのでしょうか、兎に角近いんですね…」
よく手を取り合ったりもしているの。そう考えると子どもの頃の方があまりしてこなかったかもねと微笑んで伝えて上げた。
ゴーチェ「癖っていうか…」
デシレー「自然に出来てしまうんですね…」
ゴーチェ「ある意味ジルだからかなあ」
デシレー「まあ、皆さんもう分かっておられる仲ですし…」
気になっている癖について尋ねて見れば。
いつの間にか。
彼と彼らが紡いできた愛おしい軌跡がこのインビンシブル内で色と織物を縫うかのように形を成していると気づけた日となった。
値
※クラジル
クライヴがインビンシブルの仲間達や協力者たちとの軌跡の証として、シドとの誓いを中心に置かれた贈り物たちを優しく見つめながらジルがそっと雪月花の花冠を飾ってくれた。
寝床にふたりで座り込み優しく肩を引き寄せてくれる彼に寄り添いながらあの日と…今日という日を彼女も噛みしめていた。
“ずっとこうしていたい”
そんな風にジルは言葉にしない。彼女の方からもう行かないとね、とあらゆるものを背負いながら前に進む彼をこのヴァリスゼアにおいて地上の戦いは残すところ僅かばかりの時であっても支えると決めてくれたのだ。
そうした中でふとした瞬間にでも彼が彼女を大切に想っていることを優しく見つめたり、先に進んで行きすっと手を差し伸べたり、危険だと相棒が察知するとすぐにそこから守ろうと己の腕の中に抱き込んだりして自ら示して来た。
引き寄せてくれた彼をその深くて海よりも青い瞳からくる想いが込められたまなざしへ再び“大好きよ”と彼女もまなざしで返すとしっかりと応えるように抱きすくめる。
彼の決意を影の海岸で受け入れてから幾度かこうしてきた。会いたかったと、ウォールード王国にて素直に想いを告げられたのと同じ様に。
過去の因縁を断ってから—本当はずっと前から—確かに一定以上の感情がお互いにあると、気づいてはいた。
それでもこれまで逃げて来た現実や多くの命を手に掛けてきた過去と因縁、そして死に向かうこの大陸の真実に向き合わなければならない。
そうした中で意識する瞬間があったとしても、今はその時ではないと…シドとの誓いと、ジョシュアが与えてくれた2度目の機会―生かされた意味を探し求めて辿り着かなければ。
そうでなければ、支えてくれる君にも応えられない。
こうして、彼のこの腕の中で。力を込めて抱きしめられるのは嬉しさと安堵感。
そして誰よりもあなたが好きなのだと。私の宝物であり、私の心もここにあるのだと彼によって溶かされた彼女の心が熱を帯びる。
この力強さはあなたが私に甘えているのではないと分かる。
もっと別の—…。
「子どもの頃は…君とこんな風になるとは思っていなかった」
「そうね…私もそう思っていたわ」
(それでも変わらずに私を見つけてくれた)
クライヴとジョシュアとは違いジルはきょうだいとして育ってはきたものの血は繋がっていない。
どこかで別れる日が来たのだろうかと、あのままロザリアで何も知らないまま過ごしていればそうなっていたのだろうか。
血が繋がっていてもずっと居ると疎ましく思わない訳ではなかったと、テオと辛い別れとなったエルからも知った。
そんな風に考えていた彼女に対し、彼は続ける。
「君に…触れたら駄目だと、そう思っていた」
「…どうして?」
あの日にどこへ行くかも分からず戸惑ったままの私の手を決して離さないと強い想いで握って連れて行ってくれて。
そして今はこうしてくれているのに、と言葉にはせず彼の胸元に耳を澄ませながら更なる言葉を彼女は辛抱強く待つことにした。
落ち着いた鼓動が奏でるリズムにもっと大きい音がして欲しいとちょっとしたわがままが芽を出しつつ。
ジョシュアからフェニックスの祝福を通して正式にナイトになった後も母と取り巻きの貴族たちの態度は変わらず、産まれた日から変わらなかった現実。
そして、マザークリスタル破壊に伴うと共に多くのものが失われ誰もが傷ついて来た現実。
後悔がなかったと言えば、嘘になる。
君とシドに、父上やミドと共に否定されたとは伝えてはいない。
後悔の中に、君もいたのだと思い知らされたのだから。
それでも。
“クライヴ”
ここにいるのはあなたなのだと。
炎の民であり、不死鳥の盾。
僕との誓いを通して自らの生を貫く、たったひとりの兄であり。
誰よりも信頼を置くただひとりの男。
「君が俺と手を重ねてくれた日から、ずっと考えていた」
シドの前で誓った時に先に手を取ったのは己自身なのだ。
「俺の為に、君が自由にはなれないのではと」
「あなたと一緒にいたいと伝えたでしょう」
「ああ」
クライヴは優しくジルの頭を撫でる。
動けなかった—俺とは比べ物にならなかった君と共に歩み出して。
ずっと支えてくれて。ジョシュアが生かしてくれたのなら、せっかくなら意味のある生き方をしてみない?と傍で伝えてくれた。
あの国での因縁をやっと…君が話してくれてからは俺が支えると決心を固めたはずだ。
それでも戦い続ける以上は人でいたいと教えてくれた君はこのままでは人でいられない。
バルナバスが俺たちに知らしめたように、魔法は本来、人に値するような力ではないのだ。
“奇跡”と都合の良いものとして崇められながら、同時に当たり前となっていたそれを失わせ混沌の中心となり人から離れている存在から、出来ることなら—…
そうした考えが幾度も浮かんでは沈んでいった。
君の心を視たあの海岸、月を見ていたあの日にそれは断ち切られた。
溶けて崩れていったものの中から、見つけた。
「君から今もそれが伝わってくる」
こうしているとそれが分かって嬉しいんだとそっと告げる。
満たされる想いがここにあるとお互いに見つけられた。
値しない力。人は元来、魔法にも奇跡にも値しない存在。
そして苦しみと悲しみが満ちた世界は魔法とクリスタルの加護が断ち切られた後にも続くだろう。
視たからだけではない。
人へと先に君が戻って。
そしてここに居るのは俺なのだと、ひとりの人として受け入れてくれて。
そうして愛され愛する意味を見つけた今だからこそ。
値しないと疎まれていると思っていた少年の時、復讐という病に駆られ動けなかった時、そして運命の支配下でしかなかった現実を知らされたあの時も—そこから人として抗い前に進む為に誓って。
君が教えてくれた通り俺が生きる意味はジョシュアとの誓いを通して、確かなものを揺るぎなく最後まで。
「…大好きな人のために好きなことが出来るのって自由だと思うの」
ジルがクライヴの背中に手を回しながら優しく言葉を紡ぐ。
クライヴはこつりとおでことおでこを彼女とあてがう。
自分で考えて、素直にあなたへ想いを伝えられたから。
たったひとりで。自分の為だけだったら、寂しいもの。
あなたは残りのこの時を私の為に…すごく嬉しかった。
愛おしいまなざしからそれが伝わってくる。
「今度は青空の下で、だな」
先ほどの約束を彼がまたしてくれた。
「あの日みたいにね」
ひとつ
望郷組
ほんのりクラジル
今度のモブハントの相手は姿も含めて詳細が分からない相手だとネクタールや石の剣の皆からリスキーモブハントの依頼を受けて。
それでも被害が広がる前にとダルメキア共和国、ダリミルの付近を目指すことにした。
砂漠の夜が冷えるのはクライヴとジルはもちろん。
そしてジョシュア自身もヨーテと共に現在は崩壊してしまった自治領へ繋がるクリスタルロードを通る前にダルメキアではヴェルクロイ砂漠を含めてその寒さを経験してきたのでまだ緑に残っている風の大陸中央部を抜けきる直近の森にて一旦休息を取ることにした。
3人と1頭の狼は焚き火のそばで。
そして少し離れたところで白いメスと黄色のオス2頭の馬(チョコボ)たちが大木の麓にてギサールの野菜をはみながら食事を取っている。
保存が効くようにと固めのパンと木の実。それとりんごを切り分け。温かいお茶を嗜んだ後。ジョシュアがこのところ日を重ねるごとに厳しくなっていく戦いのこともあり、兄を支え守ろうと彼の意思を全面に押し出した動きを取っていた為だろう。
その右肩にもたれかかり静かに寝息を立てた。
自分の為に石化と引き換えに理の動きを封じているその弟の姿を優しくそして申し訳なくも見つめるクライヴの左隣でジルもそっとイフリートの力を宿している左腕をそっと両手で支えるかのように取り。そうして彼に寄り添った。トルガルが3者のその様子を後ろでじっと横たわりながら見守ってくれている。
クライヴはそっと弟の頭を撫でた後ジルへと視線を落とした。
彼女は彼を支えると子どもの頃からそうしてくれていたと思い起こせるようにまっすぐに彼を見つめ返してくれた。
「…こうしているとね、ひとつになれたら良いのにって思うの」
ジョシュアには聞こえないように小さな、それでいてクライヴに届くようにジルはしっかりと話してくれた。
シヴァの力を失い。人でありたいという願いは叶った。
それと同時に守る為の力は失った。
クライヴは言葉にはそれほど託さなくても今彼にあるその力があなたを守ると、そのために生きていくと決めたジルの意思がちゃんとここにあると愛しさを向けたまなざしから教えてくれる。
それは分かるのだ。我慢することになっても彼の決意と想いを受け入れたのだから。
それでも、と浮かんでくるのは私が人に戻ったからだと、そう、思う。
それに、覚えているのだ。
彼がこうしてふたりだけだった旅の間。
焚き火の近くで少し眠りを取るとふとしたときにトルガルだけがそばにいてくれて。静かにそっと離れた場所で普段から大切に懐にしまいこんでいるフェニックスの尾を取り出して。
その炎の揺らめきを見つめた後、月を見つめていたことを。
「俺は君が君で良かったと思っている」
同じく彼女へ届くように低くも穏やかさを込めて彼は言ってくれた。
彼が月を見上げる。
瞬く星たちと異なり。
月はこの覆われた空のもとにおいてもすぐにその場所を見つけられる。
見失い壊れてしまいそうなそして崩れ行くこの世界の日々において。
月をふとした時に見上げた日、ふたりで。
それもよく覚えていたのでジルも同じく顔を上げた。トルガルもそうしていると後ろから伝わる気配から分かった
震えて凍えて行き、泣き出しそうな日々。どちらかともなく手を取り合いそうしてお互いを掴み確かめ合っていた。
「ひとつのままなら、きっと見つけられない」
ばらばらだから良いのではない。
君がそこにいるとはっきりと分かって、そうして見つけられた。
あの笑顔も涙も。忘れたりなどしていなかった。
「…私も見つける」
「頼りにしているよ」
「なら、僕も兄さんを呼ぶよ」
特に驚くこともなく弟からかかったその声にふたりでゆっくりと振り向き。そうして微笑み頷き合った。
背負うというのは何も罪だけではないのだ。
彼らの意思がここにあり、そうして集まりひとつとなって集っていったのだと。
彼は理の前で自ら証していった。
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