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FF16小ネタ集⑱

クラジルでまとめました。 シリアスかほのぼのよりです。

静かな夜

※ほんのりとしたクラジル

クリスタル自治領に向けてクライヴとジルは慣れた様子でクライヴは愛馬(チョコボ)であるアンブロシアに。 そしてジルは借りた一頭に乗ってまたダルメキアへの旅へと向かった。 馬を1日休ませることなく走らせたとしても数日は掛かる旅路だ。 先に自治領へ向かう為のボグラド市場にて未だ見ぬ協力者たちの元にいるグツをあまり待たせたくないところであるが、ジルは体調を戻して間もないのもあり。借りて来た馬(チョコボ)のペースもある。 アンブロシアやトルガルと共に先行しながら時折そっと視線を後ろへ送る。 彼女はしっかりと頷いて共に付いて来てくれていた。

砂漠の夜は冷える。 黒の一帯に沈む湖のど真ん中がクライヴたちの今の隠れ家であり。 そこから南に突き進むとまだ黒の一帯に脅かされていない緑が少ない荒野が広がる。 ダルメキアの領地である砂漠は間近であるが夜になると一気に冷えることもあり。 その手前で自らの掌に弟から信頼の証として得た炎を灯し。 そして火を起こした。その間にジルが優しく馬を撫で。ありがとうと礼を伝えていた。 先に水を飲みに出ていたアンブロシアが戻るとそちらも彼女にキュイと挨拶を送り。 そしてトルガルと共に水を飲みに出る。 アンブロシアの頭を優しく撫でクライヴも礼を贈り。括りつけていた荷物をほどきながらギサールの野菜をクチバシにはませる。 アンブロシアは音を立てることもなく器用に食し。そうした面からの彼女の気高さを感じた。

別の所で水筒に汲んで置いた水を鉄の小さな鍋に注ぎ沸かす。 その間にジルがマーテルの木、そして果実だと今の拠点の中で名付けられたりんごを取り出し小さなナイフでカットしてくれている。 クライヴは隣で干したニワトリスの肉を二等分武器としては扱わない短剣で2枚におろし。 モリーが持たせてくれたワインに付けておいた乾燥イチジクを混ぜ込んだ固めのパンを旅の日数に残りを合わせてスライスする。 湯が沸く頃には仕度も整い。もう一頭の馬(チョコボ)とトルガルが戻り。彼らにも今日の疲れを取るささやかな食事を。 辛い現実をずっと目の当たりにしながら共にふたりでヴァリスゼアのあちこちを5年という歳月と共に過ごして来た時と変わらない静かな食事を取り始めた。

アンブロシアともう一頭の馬(チョコボ)は体ごと沈め頭を垂れ。 トルガルも焚き火のそばで巨体を伸ばしながら横たわり。 クライヴとジルはそれまでしてきたようにお互いに寄り添っていた。

彼女と再会をするその時まで。 焚き火を眺めそのはぜる火の粉と炎から彼が思い出すのはあの日の惨劇だった。 弟を失い。戻ることも出来なかった故郷も失い。 暗殺部隊にて雑兵として扱われながら本来の名を呼ぶ者はいなかった。 ジョシュアを手に掛けた奴を忘れるものかとそれだけを考えて。

兵器として扱われて来た彼女はこうして炎を眺めたりはしなかった。 拘束具を嵌められたままきつく縛られ。顔を上げようものなら目の前で少女たちが痛めつけられているという何も変わらない現実。 何も出来ず、叫ぶこともなく。目の前の者たちを殺せ化け物。その命令だけが日々の繰り返しだったのだ。

今ふたりで寄り添いながら思い出すのはヴァリスゼアを見て回って来たこの世界の現実だ。囚われていた日々ではない。 ふたりで―今こうして手を繋いでいるのと同じ。彼は受け入れながら。 彼女はその彼の傍で時には隣に立ち。受け止めながら。 ひとりでは決して出来なかったシドの夢をインビンシブルの皆と叶える為に日々を重ねて来た。 彼が彼女の手を取り握りしめる時。 彼女が彼の手に自分の手を重ねる時。 互いの決意と、互いへの想いを確かめ合っていた。

あの国で彼女が因縁そのものであった男を断罪し。 人らしく生きていくとひとつひとつのことを彼に尋ね確かめ合うようになってから。 そして人らしく生きていくのだとインビンシブルからまずは始めようと拠点で暮らしている彼らへ信頼と共に繋がり注いでいる想いとは別に。 お互いに特別な—それは感情であり。想いそのものであり。繋がり—そしてやがては誓いそのものとなっていく。とてもあたたかく時には迷い、どこかで失うことを恐れもしている…そうした内なる大切なものが互いにあるのだとクライヴとジルは自覚している。

「…寒くないか」 ふたりで毛布にくるまりながら彼があたたかく彼女にそう尋ねる。そして優しく引き寄せる。彼の炎を彼女に注ぐように。心がもう凍り付かなくて良いように。 彼女は身をさらに寄せ。灯る炎をじんわりと心に受け止めていた。 「大丈夫…。こうしていられるから」 帰る場所とは、違う。 未だ何かを成し遂げた訳でもない。むしろ真実に辿り着いていないこの大陸はこれからさらに混沌へと投げ込まれる。 それでも確かにここにあり。 そしてお互いに見出せた愛おしい想いを胸に。静かな夜を過ごしていった。

・飾り

男を引き寄せる為に娼館の女性たちの出で立ちとは特にフーゴの部下たちが惜しげもなく通っていたであろうダルメキアのダリミルでは足首についている鈴が歩く度にちりんと鳴り。そして褐色の手首に映える金の腕輪が強い日差しに照らされとても派手だ。 あら、いい男。最近フーゴ様の部下の人たちが来なくてね…。 後ろの連れの方がいなかったらお誘いしたいんだけど。 あなた、せっかくここに来たのだからフーゴ様のお気に入りの絨毯だけでなく金細工品も見ていったら。白銀の髪に映える髪留めならたくさんあるわよ。 手を艶やかに振りながら彼女達は先に温泉へ体をほぐしましょうかと出て行く。ルボルにも勧められていたし後で石化のことを気づかれないように人が捌け始めた時に声を掛けようかとふたりでそっと囁きあった。 「ダルメキアは鉱石が多いとあなたがここへ来る途中で教えてくれたわね」 「ああ。温泉のある場所では白い鉱物が…。それとオーガスト曰くブラックソーンの鍛治の村も近くにあるらしい。それについてはいつかブラックソーン自身が話してくれるだろう。金属を加工出来る技術もさることながら金が多いのだろう」 「お皿も独自の模様よね」 ジルが数々の店が開かれている通りを眺めながら関心を向けている。 「さっきの…」 「どうしたの?」 「急がなければならないが…もし君の目に留まったものがあるのなら買って行こうか」 グツが待っていてくれる以上さほど長居は出来なくても。 ルボルの言う通りこれから協力者として彼とやり取りをしていくのだからひと通りジルと一緒にダリミルの街の中は見て置いた方が良いだろう。 ミドの用事の為にノースリーチのマルシェにて頼まれたものの他に好きなものを楽しそうに語っていた彼女の印象が強く残っていた。 「…偶には飾った方が良いかしら」 強い日差しを受けると尚更輝きを増す自分の白銀の髪にそっと触れながらジルが呟く。 シヴァを降ろすと美しい女性の姿であり王冠の様な頭飾りが彩られる。 しかしその姿と力は兵器として長い間酷使されてきた因縁そのものであり。 その因縁を断ち切るまでの5年間は彼の傍で守り支えになるのだと魔法を唱え、そして鉄王国の中で以外シヴァを降ろしたりはしなかった。

ずっと傍で。

真っ直ぐに見つめてくれて。 そうして上手くいかなかった日々と涙を流したあの時もそっとその背に手を回し共に歩みながら。 鉄王国で俺を守ろうと道を開く為に半顕現の姿で溶岩を塞き止め共に走り去り。 君が俺を見ていたように俺が見てきた君は。 (飾り立てていた訳じゃない) 時には俺に対して怒っていたとしても現実を目の辺りにして痛みを同じ様に受け止めて。 なかなか本心を見せようとしなくても、それでも。 お互いここにいるのだとずっと伝わってきた。 願いは叶ったわと月に寄り添うメティアを見上げながら語った後に俺を見つめ。その時にあの日の少女だった君の面影を見た。 フェニックスゲートで自らをイフリートだと受け入れてから俺を支えようと優しく語る君に“そういう所は昔から変わっていないな”と伝えると変わったとはっきりと告げてから俺に気づかれないように隠すようなそぶりを時折見せた。静かに物事を見つめていた。 ようやく涙と共に見せてくれた、君の心の一部。あの時のままでは、それだけでは駄目なのだと。 傍にいてくれるその想い。そして、君の奥底にあるものをもっと深い井戸から汲み取るように見出したいとそう思い返す度に願っている。 「ジルは凛としていて…ぴったりのものを探し出すのが大変だな」 「そうかしら…。クライヴはジョシュアとお揃いのがあるから良いわね」 左耳に嵌めたままのフェニックスが彫られたシルバーピアスに音を立てることもなく触れる。 「ジョシュアもずっと大切にしてくれているだろうから嬉しいよ」 「そうよね。少しだけまわってみて。それで小さな彫刻品でもミドなら良いアイデア浮かびそうだから買っておくわ」 「そうしよう」 汲み出そうとしていた心の傷がー見せようとしていなかった心無い過去の彼女の姿そのものだったのだと後になって“視た”。それでも彼は受け入れる。

そうして涙を流しながらも飾りも覆うものもなく全てをさらけ出し。 誓いと共に涙を流しながらも微笑む君と共に満たされていくとはこういうことなのかと俺も心から感じながらお互いを強く抱きしめた。

・半身

クライヴ→←ジル

フェニックスゲートに向かう漆黒の森において。 ここもかつては美しい場所だったのでしょうねと彼女が語り。真っ黒な湖を同じく目にした彼はそれに頷いた。 彼が何か語ると彼女は静かに頷き、そうして多くのものを失った後で再び歩みお互いを補いはじめた。

再会出来てから5年経つと助け出そうとしているベアラー本人たちに責められて彼とインビンシブル内にて精力的に動いてくれている彼らー仲間たちの為に代わりに彼女が諫めることもあった。その時は彼女が責められないように彼がその流れを止めすまないと告げてそれを担う。そうしてシドの夢と罪を背負って行く。

自治領へ向かう馬(チョコボ)が引く荷台は大人二人だとやや狭いがグツが苦労して見つけ出してくれたものだ。 それにクリスタルロードを使えるというのはかかる距離や日数としてもやはり都合が良い。元からクライヴとジルも騒がしい性分ではないので結構揺れる馬車の中ふたりで静かに寄り添っていた。 時刻は昼下がりだろうか。箱の隙間から差し込む光の加減で気づいた彼女が自分のポーチから干し固めた果物と小麦と砂糖を少しのバターで混ぜ込んだエルイーズからの菓子を取り出す。 彼がそれに合わせて普段から身に付けている水筒を取り出した。 水を入れると重たいので大抵クライヴの担当となる。彼らのポーチは大工房の彼らが更に丈夫にそして滑らかに手を入れてくれている。 他にはカローンの店にて彼女の目利きから回復薬(ポーション)や身体能力を向上させる薬も入っている。ジルは彼のものとは別に難民街で声を掛けてくれた薬売りの少女の熱意に応えて上げられなかったのも含めてか傷口を覆う包帯や消毒薬を少し。それとこうしてすぐに口に含められる菓子も持ち歩くようになった。 それぞれの必要なものをふたりで、半分ずつ。 ぱきっと乾いた音と共に円型の菓子を半分に割り彼に渡す。ふっと優しい笑みを浮かべ礼と共に受け取り。身に付けていた水筒を彼女に渡した。 ロザリスで出会ってから城内でははしたないと特にジョシュアが母を含めてその取り巻きの貴族から怒られるので3人で許可がおり。そして外に出られた時によくこうしていた。 今はまだ弟には会えていないが再び行動を共に出来たのなら。その話をしたいと切実にふたりで思う。生きていると分かったあの日から今この瞬間もずっと願っていたのだとジョシュアに伝えたい。 干した果物も、飲み水もお互いに半分ずつ分け合い。 そうしてどちらともなく手を取り合った。シドの前で誓ったあの日から度々こうしてきた。お互いに何かを言葉に託すより寄り添いここから伝わるものをずっと、まっすぐに。 手を繋ぎながら彼女が彼に寄り掛かりその肩に頭を乗せて。彼もそれに頭を寄せて応える。 あなたにあるものを守り支えたいと。 俺も君を支える。そしていつだって俺に足りないものを見つけ支えてくれる君に感謝を。 クライヴが繋いだままの手の握る力を込めた。 ジルもきゅっと優しくそれでいてしっかりと返す。 決して心地よくはない揺れの中でもここに居るのだというこの距離がふたりを安堵感と共にお互いの存在を心に染み込ませていく。

風の大陸最後のクリスタル破壊はもう目の前だ。 まだふたりがお互いにとって半身であり対等であった時のほんのひとときのこと。

・手作り

ちょっとだけクラジル

城下街に降りるとちょうど自分達と年が近い女の子3人が集まって果実を見て回っていた。 隣の男の子にね、砂糖で煮てジャムにしようかと思うの。 リンゴにする?柑橘系だと皮が無駄にならないよね。 野イチゴはどうかしら。それはまだ季節としては早いよって母さんが。 何でも、一生懸命に作ったらさ。ちょっとだけでも私の…ううん、作ってくれたんだって喜んでもらえたら。 良いじゃない!良いよー!

何だかとても楽しそうな様子だと隣で歩いているジルに語りかけると。 クライヴ、何か手作りで食べたいものはあるかしら?と尋ねられた。 侍女達が本当によくしてくれているからな。どれもとても美味しく頂いているよ。ジョシュアの身体を気遣ってくれていて助かっていると返すと。 ジルはそうねと優しく微笑んでくれた。 この話はあの日ここで終わった。

ノースリーチのマルシェでミドの大工房と違う用事でふたりで買い物に来た。皇国民がほとんどこのドラゴニエール平原から去り。黄昏行くこの街でも残ったり訪れている人々はマダムイサベラの助言もあり活気ほどでなくても比較的穏やかに市場でのやり取りがある。 パンのことばかり楽しそうに語っていた時とはまた違いジルはひとつひとつの果実を眺めクライヴへ尋ねる。 「…とても久しぶりだけど、果実を使って何か作りたいの」 ずっと長い間出来なかったこと。誰かの為に。その人が喜んでくれると分かっているからこそ。 これまでのベアラー保護活動やクリスタル破壊では痛みや苦痛を伴う結果をお互いに覚悟を決めながら感謝が送られることもなく。時にはナイフで突き刺すような痛みを己自身で感じながら進んできた。 そうした最中でミドの依頼からとはいえ、本当に久しぶりに気取らないちょっとした買い物にここへ来た時はとても。とても楽しくて嬉しかったのだろうと川岸で彼女と語り合いながら感じていた。 「良いな。嬉しいよ」 彼女のその姿は忘れ去られたのは別として穏やかな気持ちにもさせてくれたので彼も快く頷いた。 「あら、まだクライヴへと決まっていないのに?」 「俺でなくてもジョシュアやインビンシブルの皆は喜ぶさ」 彼のそうした面は本当に変わっていないのだと彼女も少女の頃のように楽しそうに微笑んだ。 「冗談よ。一番に食べて欲しいの。あ、もちろん上手くいったなら、ね」 あの頃に今日でなくてもまたの機会にと考えていて。ずっと出来なかったこと。少女の頃のあの頃と同じ…もっと、愛おしさが奥から湧いて来る人が目の前にいて彼女は朗らかに笑った。 もう会えないのだと諦めていた長い時を超えて。再会してから今日という日をずっと重ね合ってきた。 「甘いもの、得意じゃなかったよね」 「昔はエールもな。けれど皆のおかげで慣れた」

君の手作りの味も少しずつ。これからを重ねて行けば俺にとって大好きなものになる。 飽きたりしない? もちろん。楽しそうな君の姿がいつでも思い出せるから。 ありがとう、クライヴ。

(あの時からずっと。こうしたかったのだと) メティアへの祈りとは別のささやかな願いが叶って。 ふたりで馬(チョコボ)たちに荷造りをしながらインビンシブルのダヴアンドクラウンのメイヴにもアイデアを出してもらおうとお互いの好きを探し当てていった。

あなたとわたし

クラジル 影の海岸にてのふたり

これまで辛かった事、嫌な事。 逃げ出してはいけない現実。死へ向かうこのヴァリスゼアにおいて。私自身の因縁を断ち、必死で抗わなければ。 その中で時には優しくそして温かく。 人らしくなれたとあの時も今も楽しかったことを語り合えるようになって。 心が動いていると幾度も感じてはいた。

真っ黒な海岸。真っ黒な砂浜。月と隣のメティアだけが覆われた夜の世界でも輝いている。 エーテルの恵みを失った死の大地は手で持ち上げようとするとさらさらと崩れ落ちていく。 トルガルは少し離れた焚き火のそばでずっと眠りについている。 ふたりでお互いに抱きしめ合いながら死の大地の感触より鼓動と触れ合う体温からくる温かさを分かち合っていた。 あなたを守れるならこれからも私は生きていける。 そうして自らを立ち上がらせて奮い立たせてきた。 あなたも私のそばで。信頼していると、助かる、君が居てくれて良かった。私が私で良かったとふとした瞬間に言の葉に託してくれた。 嬉しかったし、役に立てているのだとほっとしていた。 そうした中でせめぎ合いはあった。 人になりたいのに未だ私自身がシヴァのドミナントである。 人に戻ってしまったらー私はもう、あなたのそばには―…。 そしてあなたは抗うための道だと今まで考えていた道を進む度に、人から離れて行って―…。

君の頬にそっと触れる。 そのまま顔を俺の方に向かせキスをひとつ落とした。 少しカサついている己のものと違い柔らかい。 満たされていく、と答えるかのように俺の背に両手を回す。 これまで俺が手を差し伸べたりすると迷うことなく取ってくれて。 自ら手を重ね合わせてきた鉄王国から戻ってからの時は。 気づいてはいた君の想いそのまま触れたい。そう想いが沸き起こった。 今は違う。 父上の元へと向かう俺を仔狼だったトルガルを抱きあげながらその手を振って。涙を流しながらあの笑顔がこれほどまでに俺を満たしてくれる、とは考えたことも無かった。 ただ、好きなのだとはもっと違う別の何か。 ジョシュアとシド以外の誰かに誓うのだと考えたこともなかった。 罪そのものがこれからも己を苛み蝕もうとしても。 この運命に抗うと同じ様に、最後まで。 人として君と共に生きていく。

俺の中に君へのこれほどまで揺るぎない想いがあったのだと生まれて初めて知った。

背中にぎゅっと手を回してくれている彼女と同じくらい力強く彼も彼女を抱きしめた。 ずっとはこうしてはいられない。 もうすぐ夜が明ける。 それでもいまはただこうしていたい。 満たされる。満たしてくれる。 心が動いているだけではない、溢れてくるこの想い。

誓いの夜が明けて。 再会の喜びとなるその日まで。 彼と彼女の。

(あなたとわたし)

お互いがお互いの為に生きていくのだと満たされていくこの時を。

ただ、互いを確かめ合った。

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